Description
職務の目的
顧客のAI活用に伴う業務変革を牽引する技術責任者として、現行業務の分析および可視化を起点とし、自律型AIエージェント「Agentforce」をはじめとするSalesforceのAIソリューションにおける設計、構築から定着化までを担当します。本ポジションの役割は、仕様書に沿ったシステム構築にとどまりません。すでにシステム化された領域だけでなく、手作業や属人的に処理されている領域も含めて顧客の業務全体を分析・可視化し、業務モデルとして体系化することから着手します。そのうえで、どの業務をAIエージェントに配置すれば高い効果が得られるかを見極めて切り出し、設計・構築・検証・本番展開、さらには稼働後の定着化、内製化にいたるまで、責任を持って遂行します。
本ポジションの特徴
(1) 業務分析からエージェント構築、本番展開、定着化・内製化支援までの一連の工程への関与
提示された仕様に基づくシステム開発ではなく、業務分析からエージェントの構築、本番展開にいたるまでを一貫して担当します。各フェーズにおける主な特徴は以下の通りです。
業務分析・モデリング:システム化されていない手作業や属人的な領域も含めて現行業務を可視化し、業務モデルとして体系化します。各業務を「定型業務(ルールベース)」「判断業務(推論・確率ベース)」「創造業務(人間主導)」に分類し、AIエージェントに任せることで効果が出る業務を切り出します。
プロセス設計(推論・確率ベース × ルールベース):推論・確率ベース(LLM)が持つ柔軟性と、ルールベースが持つ正確性および統制の双方の適用境界を見極め、処理単位ごとにどちらで構築すべきかを判断します。Agentforceのメインルーチンは推論エンジンとなる一方、確実な実行が必要な部分はAgent Scriptで記述する「ハイブリッド推論」により決定論的に制御します。
設計・開発・テストから本番デプロイ:エージェントおよびサブエージェントの構成、トピック(業務分類)、インストラクション(動作指示)、アクション(Flow、Apex、またはAPIなど)を設計・実装します。評価・テストを通じて誤答や意図しない挙動を防ぎ、CI/CDを用いて安全に本番環境へ移行します。
定着化・内製化支援:本番展開後においても、活用の定着化や新たなユースケースの提案、さらには顧客自身がエージェントを運用・改善できる体制(内製化)の構築までを支援します。これにより、Agentforceが顧客の業務基盤として定着するよう継続的な支援を行います。
(2) Agentforceを起点とした広範なAI・データ基盤への技術領域の拡大
対象となる技術領域はAgentforceに限定されません。Data Cloudによるデータのリアルタイム統合およびグラウンディング、Salesforceプラットフォーム全般、Sales、ServiceまたはMarketingなどの各機能、さらには外部AIサービスや他システムとの連携まで、幅広い製品群を活用してシステムを構築します。ご自身の得意な領域から実務に着手し、プロジェクトでの実践を通じて段階的に対応範囲を拡大することが可能です。
主な業務内容
本ポジションの担当者は、特定の役割に固定されることなく、プロジェクトの各フェーズにおいて必要となる以下の業務を幅広く担当します。
(1) 業務分析・モデリング
顧客の現行業務を可視化し、定型業務(ルールベース)、判断業務(推論・確率ベース)、創造業務(人間主導)などに分類したうえで、AIエージェントを適用することで効果が見込める業務領域を見極めます。
(2) ユースケース策定
切り出した業務について、AIエージェントの動作方針や適用範囲を定め、推論・確率ベース(LLM)で実行する処理とルールベース(FlowまたはApex)で実行する処理を切り分けます。あわせて、Data Cloudを用いたデータ統合・グラウンディングの方針や、AI Trust Layerによるデータ保護・コンプライアンス(ガードレール)を含むデータとAIの統制方針を策定し、必要に応じてPoCにより効果を早期に検証します。
(3) Agentforceの設計・開発
業務範囲に応じたエージェント/サブエージェントの構成、トピック(業務分類)・インストラクション(動作指示)・アクション(Flow、Apex、APIなど)を設計・実装します。Agent Scriptを用いたハイブリッド推論の設計により、判断が必要な部分は推論に委ね、順序遵守や予測可能性が求められる処理は決定論的に制御します。必要に応じて外部エージェントやAPI連携を組み込み、Data CloudによるグラウンディングやAI Trust Layerによる機密データのマスキングなど、データ基盤とセキュリティの設計までを担います。
(4) 評価・本番デプロイ・運用
プロンプトやインストラクションの調整を通じてエージェントの誤答や意図しない挙動を防ぐ評価・テストを実施し、変更セットやCI/CDを用いて安全に本番環境へ移行します。稼働後は対話履歴や稼働ログを分析し、タスク完了率や顧客満足度(CSAT)の継続的な改善、および業務分類の見直しを行います。
(5) 組織統制(Agent CoE)
社内で複数のAIエージェントが乱立・誤動作することを防ぐため、共通のセキュリティ基準、設計・開発標準、プロセスやツール体制、共有部品を定義・管理する組織(Agent CoE:Center of Excellence)の設立および運営を支援します。あわせて、活用の定着化や新たなユースケースの提案など、Agentforceが顧客の業務インフラとして機能するよう、体制やプロセスを含めて包括的に支援します。
応募要件
必須要件(Must)
以下の経験やスキル、資質を有していることを想定しています。
業務分析・システム構築の実務経験:ITシステム構築における業務分析・要件定義から、設計、構築、テスト、本番移行にいたる一連の工程について、標準的な開発手法やプロジェクト管理手法に基づき、自ら開発に携わった経験、あるいはプロジェクトを責任を持って推進した実績を有していること。必要な経験年数は入社時のグレードに応じて以下を想定します(Consultant クラス:5年以上、Architect クラス:6年以上、Senior / Director Architect クラス:11年以上)。
「推論・確率ベース × ルールベース」双方への基礎的な理解:推論・確率ベース(LLM)の挙動やプロンプト設計の基本と、従来のプログラムや自動化フロー(ルールベース)が持つ確実性の双方を理解し、これらを課題や要件に応じて適切に使い分けられるスキルを有していること。
AI・LLM技術を用いたソリューション構築経験:AIおよびLLM技術を用いたソリューションの構築からデプロイにいたる実践的な工程において、LLMの統合や高度なAIオーケストレーションフレームワークの適用、プロンプトエンジニアリング技術、ならびにエージェントフレームワークを用いた開発に直接携わった実務経験を有していること。
技術領域を広げる主体性:既存の技術や開発手法にとどまらず、AgentforceからData Cloud、外部AIサービスにいたるまで、新たな技術を自ら主体的に習得し、対応範囲を拡張する意欲と実行力があること。
論理的なコミュニケーション力:曖昧な要望や複雑な業務・システム構成を図や言葉を用いて論理的に整理・可視化し、開発チームや顧客との間で円滑に合意を形成できる能力があること。
AIツールによる実務効率化の経験:生成AIをはじめとするAIツールを、業務分析や設計、構築といった一連の工程に実際に活用し、担当業務の生産性向上やプロセス改善を図った実務経験を有していること。
歓迎要件(Want)
以下の経験や知見を有していると、さらに望ましいです。
業務分析やモデリング(業務フローの可視化、業務の分類)の実務経験を有すること。(UML、BPMN、DMNなどのモデリング言語や記法を用いて、業務やプロセスを体系的に整理した経験があれば、なお望ましい。)
ITシステム構築プロジェクトにおける顧客折衝・調整・合意形成の経験を有すること。
エンタープライズ・アーキテクチャに関する知見を有すること。
外部システムにおけるAPIやサービスの設計、およびインテグレーションに関する設計・開発の実務経験を有すること。
新技術の導入提案、およびユースケース選定・PoCの実施経験を有すること。
Salesforceプラットフォーム(標準機能、Apex、Flow、Data Cloudなど)に関する設計・開発経験を有すること。
Agentforce、Agent Script、Prompt Builder、Model Builder、その他LLMフレームワークを用いた高度な対話型AIソリューション開発経験を有すること。
英語を用いて海外の技術者と円滑に意思疎通を図り、共同プロジェクトを遂行できる語学力を有すること。
本ポジションで得られる経験
AI・データ活用に特化した専門性の習得:業務分析からAgentforceの開発・本番デプロイ・運用までを一連のプロセスとして経験し、AI・データ分野で市場価値の高い専門性を確立できます。併せて、ハイブリッド推論(Agent Script)のようなSalesforceの最新機能を、実際のプロジェクトで早期に扱うことが可能です。
業務変革の実務経験:単なるシステムの置き換えにとどまらず、業務の可視化・分類から、自律型AIを用いた業務プロセスの再設計・実運用までを経験し、先進的なAI導入の実績を積むことができます。
複数領域にまたがる専門性の獲得:自身の得意領域を基盤としつつ、業務分析、Salesforceの各製品、Data Cloud、さらには外部技術との連携までを幅広く扱うことで、総合的なコンサルティング能力を身につけることができます。
